中大規模木造建築金物メーカーが
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中~大規模木造建築をはじめとした木造建築向け接合金物メーカーを紹介。特に近年、注目され活用が進むCLT(直交集成板)用 の安全基準を設けた規格、クロスマーク表示金物のメーカーをピックアップし紹介&解説しています。
中~大規模木造建築をはじめとした木造建築向け接合金物メーカーを紹介。特に近年、注目され活用が進むCLT(直交集成板)用 の安全基準を設けた規格、クロスマーク表示金物のメーカーをピックアップし紹介&解説しています。
クロスマーク(Xマーク)
表示金物メーカーピックアップ
3社を見てみる
ページ内で紹介しているクロスマーク表示金物の承認を取得した接合金物メーカー7社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
日本政府は2050年カーボンニュートラルを表明。2021年10月には「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を施行し、木材利用促進の対象はいま公共建築物から民間建築物にまで拡大しています。
木造の大型化を支える技術として注目されているのが、CLT木材です。
ひと昔前まで、中大規模木造建築を建てようとする場合、施工の熟練度や木材の均質性、強度、耐火性などが高い水準で求められていました。
一方CLTは
壁にも柱にもつかえる利便性が高い資材で、耐火性や強度が高いのが特徴。これまでの仕口や継手に代わりに金物を使って固定する(金物工法)ため、ほぞとほぞ穴を熟練度の高い職人が刻む必要もありません。
さらに
厚みやサイズなど設計自由度が高く、工場でプレカットすることで標準化がはかれるため、パーツの量産が可能であるという利点もあります。このように建材として優れた特徴を持つCLTは中大規模木造建築で活用がますます進むことが予測されています。
このようにプレカットや金物工法による標準化がはかれ、安全性や耐火性にもすぐれた特徴を持つのがCLTです。この多機能性、多目的性をもつCLTは今後、中大規模木造建築での活用がますます進むことが予測されています。
大型木造建築で使われるCLTパネル用の金物には安全基準を設けた規格があり、その規格で作られた金物をクロスマーク(Xマーク)表示金物といいます。
Xマーク表示金物は、公益財団法人日本住宅・木材技術センターが2016年に設定しました。規格金物には、Xマーク表示金物のほか軸組構法用のZマーク表示金物、枠組壁工法用のCマーク表示金物、丸太組構法用のMマーク表示金物、これらと同等のDマーク表示金物、品質や性能を認定するSマーク金物など複数あります。 詳細は下記をご確認ください。
クロスマーク(Xマーク)表示金物とは公益財団法人日本住宅・木材技術センター(以下、住木センター)がCLTパネル工法用金物として制定した規格金物のことです。他にも建築工法に合わせZマーク表示金物、Cマーク表示金物などがあります。
平成28年国土交通省告示第611号「
CLTパネル工法を用いた建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術基準を定める件」に適合した接合金物がXマーク表示金物です。
こうした住木センターの規格金物は、国の統一基準や仕様書等に適合した接合金物なので中大規模木造建築に安心して使用することができます。
クロスマーク表示金物の承認を取得した接合金物メーカーは、住宅センターの公式サイト(木造建築物用接合金物承認・認定金物一覧)から確認することができます。対応しているクロスマーク金物の種類と、製造工場名が掲載されています。
2022年1月時点では下記の7社が掲載されていました。
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引張金物 | せん断金物 | L形金物 | 帯金物 | 両ねじボルトセット | 丸座金 | 角座金 | 四角穴付きタッピンねじ | ドリフトピン | |||||||||||||||||||||||||||
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承認番号 | 承認取得者 | 製造工場 | TB-90 | TB-90P | TB-150 | TB-150P | TB-DP | TC-90 | TC-150 | TC-DP | SB-90 | SB-150 | SBM-90 | SBM-90P | SBM-150 | SBM-150P | SP | SP-DP | D32 | LST | STF | STF-DP | STW-790 | STW-850 | M20(RSP2.3×45×82) | M20(RSP2.3×45×147) | RW6.0×40 | W12(140×140) | W16(90×220) | W19(80×120) | W19(80×150) | STS・C65 ※1 | STS・HC90 ※1 | STS6.5・F ※1 | DP16 |
1-1 | ヤブモト工業(株) | 東光機材㈱ | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● | ● | - | ● | ● | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - |
2-1 | 山菱工業(株) | 山菱工業㈱ 安富工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | ● |
3-1 | (株)タナカ | ㈱倉川製作所 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● | - | ● | - | - | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - |
4-2 | タカヤマ金属工業(株) | ㈱酒井製鋲所八尾工場 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● |
4-3 | ㈲新生スチール第二工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | |
4-4 | タカヤマ金属工業㈱美原工場 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | ● | - | - | - | - | - | ||||||||||
5-1 | コンドーテック(株) | コンドーテック㈱滋賀工場 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | ● | |||||||||
7-1 | (株)タツミ | ㈱タツミ 見附工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | ● |
8-1 | (株)徳永 | ㈱徳永 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● |
上でピックアップした3社のクロスマーク(Xマーク)表示金物メーカーについてさらに詳細情報をまとめました。
(3社のピックアップ基準:クロスマーク(Xマーク)表示金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社)
※BIMとは建築物を3次元のデジタルモデルでシミュレーションしコストや仕上げ、設計、施工から維持管理などの膨大な建築関連情報を情報を連動・統合するシステムのこと。
タカヤマ金属工業のカタログには、R付角座金やCTLパネル吊木の各種仕様の他、取付事例などが掲載されています。
名称 | R付角座金 | ||
---|---|---|---|
品質規格 | 技術資料1.4R付座金製品規格による | ||
寸法 | CTL厚90用 | 公称板厚19.0mm、公称長さ80mm | |
CTL厚150用 | 公称板厚19.0mm、公称長さ140mm | ||
材質 | 規格:FCD500-7※1 JIS G 5502「球状黒鉛鋳鉄品」 | ||
参考成分 % | |||
C(カーボン) | S(イオウ) | Mn(マンガン) | |
2.5以上 | 0.02以下 | 0.09以下 | |
引張強さ | 500N/㎟以上 | ||
0.2%耐力 | 320N/㎟以上 | ||
伸び | 7%以上 | ||
硬度 | 150~230HB(JIS Z 2243※2試験規格による) | ||
表面処理 | 溶融亜鉛メッキ | 規格:JIS H 8641 HDZ35 |
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引張金物 | せん断金物 | L形金物 | 帯金物 | 両ねじボルトセット | 丸座金 | 角座金 | 四角穴付きタッピンねじ | ドリフトピン | |||||||||||||||||||||||||||
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承認番号 | 承認取得者 | 製造工場 | TB-90 | TB-90P | TB-150 | TB-150P | TB-DP | TC-90 | TC-150 | TC-DP | SB-90 | SB-150 | SBM-90 | SBM-90P | SBM-150 | SBM-150P | SP | SP-DP | D32 | LST | STF | STF-DP | STW-790 | STW-850 | M20(RSP2.3×45×82) | M20(RSP2.3×45×147) | RW6.0×40 | W12(140×140) | W16(90×220) | W19(80×120) | W19(80×150) | STS・C65 ※1 | STS・HC90 ※1 | STS6.5・F ※1 | DP16 |
4-2 | タカヤマ金属工業(株) | ㈱酒井製鋲所八尾工場 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● |
4-3 | ㈲新生スチール第二工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | - | |
4-4 | タカヤマ金属工業㈱美原工場 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | ● | ● | - | - | - | - | - |
本社工場 | 大阪府大阪市生野区巽中2-2-10 |
---|---|
美原工場 | 大阪府堺市美原区黒山154-1 |
富田林工場 | 大阪府富田林市川向町8-7 |
その他工場 | 新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり |
従業員数 | 300人(グループ全体) |
---|---|
設立 | 1955年 |
営業所 | 本社 大阪府大阪市生野区巽中2-2-10 関東営業所 埼玉県川口市金山町12-1サウスゲートタワー川口2階 |
株式会社タツミのカタログにはXマーク表示金物をはじめ、Zマーク表示金物などの各種仕様の他、用途や取り付け図などが掲載されています。
サイズ | TB-90:110×110×280 | TB-90P:110×110×300 | |
---|---|---|---|
TB-150:110×170×280 | TB-150P:110×170×300 | TB-DP:80×140×510 | |
材質 | JIS G3101 SS400 | ||
表面処理 | JIS H 8610(電気亜鉛めっき)Ep-Fe/Zn20/CM1又は同等以上の処理 |
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引張金物 | せん断金物 | L形金物 | 帯金物 | 両ねじボルトセット | 丸座金 | 角座金 | 四角穴付きタッピンねじ | ドリフトピン | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
承認番号 | 承認取得者 | 製造工場 | TB-90 | TB-90P | TB-150 | TB-150P | TB-DP | TC-90 | TC-150 | TC-DP | SB-90 | SB-150 | SBM-90 | SBM-90P | SBM-150 | SBM-150P | SP | SP-DP | D32 | LST | STF | STF-DP | STW-790 | STW-850 | M20(RSP2.3×45×82) | M20(RSP2.3×45×147) | RW6.0×40 | W12(140×140) | W16(90×220) | W19(80×120) | W19(80×150) | STS・C65 ※1 | STS・HC90 ※1 | STS6.5・F ※1 | DP16 |
7-1 | (株)タツミ | ㈱タツミ 見附工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | ● |
見附工場 | 新潟県見附市今町8-3-1 |
---|---|
北関東工場 | 栃木県日光市猪倉3588-1 |
従業員数 | 280人 |
---|---|
設立 | 1978年 |
営業所 | 本社、物流センター 新潟県見附市芝野町1232-1 北関東営業所 栃木県日光市猪倉3588-1 東京営業所 東京都中央区日本橋室町1-9-1 日本橋室町ビル 8F 関西営業所 大阪府大阪市北区堂島1-1-25 新山本ビル 30 |
山菱工業株式会社のその他特徴
山菱工業株式会社のカタログには、引張金物やせん断金物の製品案内が掲載されています。
名称 | 記号 | 耐力 | 接合具 |
---|---|---|---|
引張金物 | TB-90※1,TB-150※1 TB-90P※1,TB-150P※1 |
終局引張耐力 86.0 | STS・C65(18本) |
TB-DP※2 | DP16(6本) | ||
TC-90※1,TC-150※1 | 終局引張耐力 135.0 | STS・C65(26本) | |
TC-DP※2 | DP16(8本) | ||
せん断金物 | SB-90※1,SB-150※1 | 許容せん断耐力47.0 | STS・C65(14 本) |
SBM-90※1,SBM-150※1 SBM-90P※1,SBM-150P※1 |
STS・C65(18 本) | ||
SP※1 | 許容せん断耐力52.0(2枚1組) | STS・C65(18 本×2) | |
SP-DP※2 | 許容せん断耐力52.0 | DP16(12 本) | |
D32※2 | 許容せん断耐力52.0(2本1組) | D32(1本×2) | |
帯金物 | STF※1 | 許容引張耐力 52.0 | STS・C65(40 本) |
STF-DP※3 | DP16(8 本) | ||
STW-790※1 STW-850※1 |
終局引張耐力 135.0 | STS・C65(58本) | |
L形金物 | LST※1 | 許容せん断耐力 54.0(2枚1組) | STS・C65(18本×2) |
LST+SP※1 | 許容せん断耐力 54.0 |
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引張金物 | せん断金物 | L形金物 | 帯金物 | 両ねじボルトセット | 丸座金 | 角座金 | 四角穴付きタッピンねじ | ドリフトピン | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
承認番号 | 承認取得者 | 製造工場 | TB-90 | TB-90P | TB-150 | TB-150P | TB-DP | TC-90 | TC-150 | TC-DP | SB-90 | SB-150 | SBM-90 | SBM-90P | SBM-150 | SBM-150P | SP | SP-DP | D32 | LST | STF | STF-DP | STW-790 | STW-850 | M20(RSP2.3×45×82) | M20(RSP2.3×45×147) | RW6.0×40 | W12(140×140) | W16(90×220) | W19(80×120) | W19(80×150) | STS・C65 ※1 | STS・HC90 ※1 | STS6.5・F ※1 | DP16 |
2-1 | 山菱工業(株) | 山菱工業㈱ 安富工場 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | ● | ● | ● | ● | ● | - | - | - | ● |
茨木工場 | 大阪府茨木市宮島3-3-24 |
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安富工場 | 兵庫県姫路市安富町植木野57-12 |
建材工場(株式会社淀川製鋼所大阪工場内) | 大阪市西淀川区百島2-1-102 |
従業員数 | 116人 |
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設立 | 1967年 |
営業所 | 本社 大阪府大阪市天王寺区国分町3-23 関東営業所 千葉県千葉市花見川区幕張町6-295-10 |
2021年10月「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」を施行され、木材利用促進の対象はいま公共建築物から民間建築物にまで拡大しています。2022年、これから中大規模木造建築市場はおおきく発展することが予想されます。
そこでここでは、今なぜ中大規模木造建築が注目されているのか?その環境への影響や、SDGs、ESG投資などグローバルな取り組み、日本国内での取り組みや、中大規模木造建築物の機能性、今後の課題や展望などについてまとめました。
SDGsのような世界的な脱炭素化の動きに加え、日本においては政府の宣言した2050年カーボンニュートラルの影響もあって、中大規模木造建築の注目度を上げています。
樹木は成長時に二酸化炭素を吸収し、酸素を発生しますが、伐採され木材になっても炭素は蓄えられ貯蔵庫として機能します。その意味で木造建築は「第二の森林」と言われます。
17項目の持続可能な開発目標を掲げたSDGsや投資家の企業評価において地球温暖化などの社会課題への取り組みを重視するESG投資はグローバルトレンドとなっています。
政府や自治体では中大規模木造建築の負担軽減と非住宅木造化普及のため補助金や助成金制度を設置。条件や補助率に違いはありますが、利用により経費の一部が補助されます。
木材だからといって耐震性や耐火性が低いことはありません。建物の強さは構造設計かどうかが重要。また火災発生時も一定時間強度は保たれ、燃え尽きるまで時間が稼げます。
SDGs+beyondの体現をパビリオンの基本構想とする大阪・関西万博日本館。脱炭素社会の流れの中で日本館や他のパビリオン建築でのCLT活用が注目されています。
脱炭素社会への企業の木造建築に対する理解度は徐々に上がってきていますが、生産・流通体制の整備やコストが課題。今後は標準化や助成金などによる負担軽減が期待されます。
大規模木造建築は脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいる企業の証として、社会や投資家へアピールできるメリットがあります。また、コストや耐震性、省エネ性能の面からもメリットのある建築物です。
2019年6月25日から全面施行となった改正建築基準法に「木造利用の推進に向けた規制の合理化」が含まれており、中大規模建築物の木造化の促進を図る内容になっています。今回の法改正により、防火規定や耐火性能基準などが見直されているのも注目したいポイントです。
Net Zero Energy Buildingの略称をZEBと呼び、年間の一次エネルギー収支ゼロを目指した建物のことです。木材ならでは省エネ性・耐久性が高められ、香りや温もりが感じられる建物になるでしょう。今後はZEBの普及を促進されることが予想されます。
中大規模木造建築は工期短縮を図ることができ、価格上昇リスクが抑えられるなどコスト面にも有利になるでしょう。ただランニングコストについても考慮する必要があり、計画の時点で清掃・点検・保守などがしやすいような工夫が大切です。
中大規模木造建築は使用する金物も一般住宅と異なるものを使用します。そのほか工法や制度など、聞き慣れない用語を多く目にするはず。ここでは建築接合金物のほか、中大規模木造建築に関するさまざまな用語をキーワード集としてまとめました。
中大規模木造建築を建てる際に相談できる建築金物メーカーをまとめました。主にCLT用のクロスマーク表示金物の承認メーカーを中心に、中大規模木造建築金物・非住宅建築金物を扱っている代表的メーカーを紹介しています。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場 |
(本社工場)大阪府大阪市生野区巽中2-2-10 (美原工場)大阪府堺市美原区黒山154-1 (富田林工場)大阪府富田林市川向町8-7 その他、新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり |
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営業所 | (本社)大阪府大阪市生野区巽中2-2-10 (関東営業所)埼玉県川口市金山町12-1 サウスゲートタワー川口2階 |
従業員数 | 300人 |
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場 | (見附工場)新潟県見附市今町8-3-1 (北関東工場)栃木県日光市猪倉3588-1 |
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営業所 | (本社)新潟県見附市芝野町1232-1 (北関東営業所)栃木県日光市猪倉3588-1 (東京営業所)東京都中央区日本橋室町1-9-1 日本橋室町ビル 8F (関西営業所)大阪府大阪市北区堂島1-1-25 新山本ビル 305 |
従業員数 | 280人 |
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場 | (茨木工場)大阪府茨木市宮島3-3-24 (安富工場)兵庫県姫路市安富町植木野57-12 (株式会社淀川製鋼所大阪工場内)大阪市西淀川区百島2-1-102 |
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営業所 | (本社)大阪府大阪市天王寺区国分町3-23 (関東事業所)千葉市花見川区幕張町6-295-10 |
従業員数 | 110人 |
一貫した開発体制でオリジナル商品も提供
工場 | (つくば工場)茨城県土浦市大畑702-1 |
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営業所 | (本社)茨城県土浦市大畑702-1 (東京オフィス)東京都足立区千住仲町41-1号大樹生命北千住ビル6F 他7カ所 |
従業員数 | 454人 |
柔軟性があり目的に応じて特注品にも対応
工場 | (東光機材株式会社)兵庫県三木市岩宮140-4 |
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営業所 | (本社)大阪府東大阪市金物町2-20 (東京支店)東京都墨田区緑4-24-7 |
従業員数 | 50人 |
調達力を支えるメーカーと商社の2つの機能
工場 | (九州工場)福岡県直方市中泉898-1 (関東工場)茨城県結城市若宮8-45 (滋賀工場)滋賀県蒲生郡日野町大谷341-50 (札幌工場)北海道石狩市新港西1-719-12 |
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営業所 | (本社)東京都江東区南砂1-9-3 (東日本営業部)札幌支店、仙台支店など14カ所 (西日本営業部)名古屋支店、京都営業所、神戸営業所など13カ所 |
従業員数 | 733人 |
自社一貫体制で規格品・オリジナル製品に対応
工場 | (栃木工場)栃木県栃木市岩舟町静2875 ※本社と同じ |
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営業所 | (本社)栃木県栃木市岩舟町静2875 |
従業員数 | 記載なし |
長年の技術の蓄積で中大規模木造建築を支援
工場 | 公式ページに情報なし |
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営業所 | (本社)東京都葛飾区奥戸4-19-12 (大阪支店)大阪府大阪市中央区平野町3-2-13 平野町中央ビル7階 その他4営業所 |
従業員数 | 101人 |
コネクタ製品との併用で金物工法の幅を拡大
工場 | 公式ページに情報なし |
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営業所 | (本社)富山県滑川市大榎452 (東京オフィス)東京都渋谷区恵比寿西2-1-8 Oak6 3F |
従業員数 | HPに記載なし |
一般住宅用の建築接合金物の建築金物メーカーについて調査。建築金物メーカーの選び方をはじめ、各社の取り扱っている床下材(鋼製束、基礎パッキン等)、柱接合、梁受け、ホールダウン金物、制震機器、CLT、クロスマーク金物などを紹介。その他、制作金物(OEM、特注品対応)をしているか、表面処理、会社の設備、会社の所在地などについて調査しまとめました。接合金物の建築金物メーカー選びにお役立てください。
所在地 | 茨城県土浦市大畑702-1 |
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従業員数 | 454人 |
所在地 | 埼玉県八潮市西袋717-1 |
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従業員数 | 172人 |
所在地 | 東京都葛飾区奥戸4-19-12 |
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従業員数 | 101人 |
所在地 | 大阪府大阪市生野区巽中2-2-10 |
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従業員数 | 300人 |
所在地 | 福井県福井市三十八社町33字66 |
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従業員数 | 970人 |
所在地 | 大阪府大阪市中央区今橋3-3-13 ニッセイ淀屋橋イースト14階 |
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従業員数 | 432人 |
所在地 | 大阪府東大阪市森河内西1-6-30 |
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従業員数 | 60人 |
所在地 | 千葉県流山市駒木631 |
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従業員数 | HPに記載なし |
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中大規模木造建築のキーワード「CLTパネル工法」について解説しています。CLTパネルとは何なのか、他の工法との違いやメリットやデメリット、規格や製造工場の現状を紹介しながら将来に向けた展望についても考察しています。
CLT活用はSDGsにつながります。耐震性、耐久性の高さにより災害に強い街づくりができ、需要が高まれば地域社会の林業や木材産業の活性化につながるのです。環境にもやさしく、断熱性の高さからCO2削減にも貢献できるのです。再利用もでき、バイオマス発電の燃料にもなります。
CLTは1995年オーストラリアを中心にスタートしましたが、以降、ヨーロッパやアメリカなどでも採用され始めている木材です。日本では2016年4月にCLT関連の建築基準告示が公布、施工されたことで、一般利用がスタートしています。
CLTの活用促進を図るうえで課題となっているコストを解決しようと、新しい工法や技術の開発などが行われています。日本におけるCLTのコストの現状について解説しながら、RC造・S造とのコスト比較、コストを抑えるための取り組みについてまとめました。
CLTを活用した建築物を検討するうえで、耐火性能が気になるという方も多いでしょう。CLTの耐火性能をはじめ、耐火性能の向上に関する研究や近年の防火規制の変更について解説。CLTの活用促進に向けた、耐火性能に関する情報をまとめています。
JパネルとCLTの違いはどこにあるのでしょうか?JパネルとCLT、それぞれの特徴を理解していないと違いを把握できません。理解にはQ認証商品や用途についての理解も必要です。JパネルとCLTの違いについて理解するための基礎知識をまとめています。
CLTはどのように製造されているのか?流れについてはなかなかわからないものです。CLTは単純にラミナを貼り合わせてできているわけではありません。各工程に職人の技術や厳しいチェック体制で製造されています。CLTの製造方法や流れをまとめてご紹介します。
CLTパネル単体ではそれほど遮音性は高くありません。ただし、せっこうボードによるふかし壁を施工したり二重壁を施工したりすることで遮音性を高めることが可能です。CLTパネルの遮音性について詳しく見ていきましょう。
CLTパネルを用いた工法は、CLTパネル工法や軸組工法+CLTパネル、混構造の3つです。CLTパネルの特長を活かすには箱をつくったり、壁を配置したり、床や屋根をかけたりコアをつくったりする施工があります。
CLTパネルは湿度に強く、反りや狂いが少ないといわれています。木材自体に調湿性はありますが、CLTは木材繊維の交差するため、ある程度の耐性があります。ただ、外壁に用いる場合風雨にさらされ劣化するため、対策が求められます。
サミットCLT工法はSMB建材が開発したCLT対応のGIR接合を使った工法です。GIR接合部を隠せるために意匠性や気密性があります。サミットHR工法を組み合わせることで木造ラーメン構造での建築も可能。自由度の高い建物を建てることができます。
日本住宅・木材技術センターが定める接合金物規格・クロスマーク表示金物(Xマーク表示金物)について解説。クロスマーク表示金物承認取得金物メーカーや構造設計ルートとの関連についても紹介しています。
建物にはさまざまな部材が使用されています。構造材を組み合わせて接合させるための金物もそのひとつ。クロスマーク(Xマーク)表示金物は公益財団法人日本住宅・木材センターなどによって認定されたマークを持つ金物です。
クロスマーク(Xマーク)表示金物の数は大きく分けて13種類あります。主に基礎と壁パネルの接合に用いられる金物で、それぞれ表面処理や材質、耐力などが定められているので購入の際には確認しておきましょう。