CLT用クロス(X)マーク金物をはじめとした中大規模木造建築金物メーカーが見つかるnavi » CLTパネル工法 とは? » CLTの耐火性能は?近年の防火規制も解説

CLTの耐火性能は?近年の防火規制も解説

木造建築で気になるのが耐火性能です。ここでは、CLTの耐火性能を紹介しながら、CLT活用促進に向けた防火規制の変更についても解説しています。

CLTの耐火性能について

CLTをはじめとする木材厚板は加熱されると表面に炭化層(断熱層)を形成し、毎分1mmの速度でCLT内部へゆっくりと燃え進むことが多くの加熱実験で確認されています。

この性質を利用することにより、想定した加熱時間後のCLTの残存断面を計算することが可能。このように火災時に燃える部分をあらかじめ見込んだ断面設計にし、建物が一定時間倒壊しないようにすることを燃えしろ設計と言います。

CLTを燃えしろ設計すれば、木材表面を現わしにした設計も可能です。実際に日本住宅・木造技術センターの耐火炉で行われたCLT現わし壁の準耐火構造加熱実験では、厚さ90mmのCLT壁が1時間以上燃え抜けないことが確認されています。

ただし、厚いCLTでも木材表面に着火はする以上、内装制限がかかる用途・規模では適切な対応が必要です。

参照元:一般社団法人 日本CLT協会|CLT建築物の設計ガイドブック[PDF](https://clta.jp/wp-content/themes/clt/pdf/about/nyukai/pdf_guidebook.pdf

CLTの耐火性向上に関する研究

これまでにも石膏ボード等の無機材料で被覆することにより2時間耐火構造の性能を付与されたCLTはありましたが、木材だけで構成された2時間耐火構造のCLTは開発されていませんでした。

国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所では、難燃処理した木材でCLTを被覆することにより、オール木材の2時間耐火CLTを開発。大臣認定を取得できれば、木材現わしの2時間耐火CLT構造が可能となっています。

大臣認定を取得した例としては、大成建設株式会社が1時間耐火構造の性能を持つCLT表層利用の耐火壁「T-WOOD®️TAIKA」を開発。国内初の1時間耐火の大臣取得となり、木材の利用促進による脱炭素社会への貢献が期待されています。

参照元:国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所|石膏ボードで被覆しないオール木材の2時間耐火CLTを開発(https://www.ffpri.affrc.go.jp/research/saizensen/2019/20190201-01.html

参照元:大成建設株式会社|1時間耐火の大臣認定を国内初取得 CLT表層利用の耐火壁「T-WOOD®️TAIKA」を開発(https://www.taisei.co.jp/about_us/wn/2023/230313_9324.html

CLT活用促進に向けた防火規制の変更

2021年10月に公共建築物等の木材利用促進法を改正した、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(都市(まち)の木造化推進法)」が施行されました。基本方針の対象が民間建築物を含む建築物一般に拡大されたほか、木材利用の促進を明確に打ち出すことにより脱炭素社会の実現への貢献を目的としています。

また、CLT活用促進に向けた環境整備として、構造・防耐火規制を合理化。令和5年度に中高層耐火建築物の下層階に求められる耐火性能が2時間から90分に短縮され、木造の壁・柱等の石膏ボード等による被覆の厚さの削減が可能に。令和6年度には、屋根や柱など部分的な木造化ができるように。多様な木造建築物の設計を行えるようになり、CLTを活用した建築物に取り組みやすくなっています。

参照元:林野庁|脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)(https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/

参照元:一般社団法人 日本CLT協会|CLT建築のススメ方[PDF](https://clta.jp/wp-content/uploads/2023/05/cltkenchikunosusumekata.pdf

CLT用クロス マーク金物をはじめとした
中大規模木造建築金物メーカーを紹介

クロスマーク(Xマーク)
表示金物メーカー
ピックアップ3社

上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。

タカヤマ金属工業株式会社

タカヤマ金属工業株式会社
引用元:タカヤマ金属工業株式会社 https://www.takayama-kk.co.jp/
ワンストップの生産体制と
BIMを活用した制作金物に強み

現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い

工場

  • 本社工場 大阪府大阪市
  • 美原工場 大阪府堺市
  • 富田林工場 大阪府富田林市
  • 新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり

会社情報

  • 従業員数
    300人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    埼玉県川口市

株式会社タツミ

株式会社タツミ公式サイト
引用元:株式会社タツミ https://www.tatsumi-web.com/
接合金具工法用の
木材プレカット工場に強み

自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的

工場

  • 見附工場 新潟県見附市
  • 北関東工場 栃木県日光市

会社情報

  • 従業員数
    280人
  • 本社
    新潟県見附市
  • その他営業所
    東京都中央区
    栃木県日光市
    大阪府大阪市

山菱工業株式会社

山菱工業株式会社
引用元:山菱工業株式会社 https://www.yamabishikogyo.co.jp/
ツーバイフォー金物の実績で
培った技術力に強み

規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発

工場

  • 茨木工場 大阪府茨木市
  • 建材工場 大阪府大阪市
  • 安富工場 兵庫県姫路市

会社情報

  • 従業員数
    110人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    千葉県千葉市

※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/

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現場のコスト削減、品質向上、工期短縮につながった木造住宅建築金物の事例を紹介。ここでは現場の生産性を考えた製品開発を得意とするタカヤマ金属工業の事例について紹介します。

中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社

大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。