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CLTパネルは湿度に強い?

ここでは、CLTは湿度が高いのかの基本情報をご紹介します。また、CLTパネル施工に関するポイントもまとめました。

CLTパネルが湿度に強いとされる理由

CLTの特徴は反りや狂いが少ない点です。木材には調湿作用があります。湿度が高いと吸い込んで乾燥すると吐き出すというシステムです。その際、湿気を吸いこむと木材は膨らみ、吐き出すと縮むという変化が現れるため施工の際は注意が必要です。板1枚とっても、木目の方向や場所による細胞の性質が違うために膨張と収縮率は各箇所で異なる点も施工のポイントとなります。

CLTパネルは湿度に強いといわれています。理由は木材の繊維が交差しているためで、さらに一般的に柱で使われている木材と比較しても太くないからです。

CLTパネル施工によるポイント

CLTパネルの強みは高い寸法安定性です。ただし、環境や状況によっては寸法に変化が生じるケースがあります。よくあるのは、運搬や保管中に、湿度変化や水濡れの影響で、伸縮や反りが生じるケースです。

CTLを連ねた壁を施工する場合、CLTの伸縮も踏まえた施工が求められます。一般的に部材同士のクリアランスは1~2mm取るのがポイントです。ただし、クリアランスにより生まれた隙間は気密性や防耐火性の低下を招くため、施工の際はそれらへの対処を行う必要があります。

3層3プライや3層4プライのような厚さ90mm、120mmのような薄いCLTパネルだと温湿度変化で反る可能性があります。隣り合うCLTパネル同士が不揃いで平らな部分が消えないように、雇いザネの活用、裏面からのビス留めによる施工などで反りの矯正が必要です。

外壁へのCLTパネル施工には注意が必要

CLTは外壁で活用自体はできますが、現しでの施工は一般的でありません。直接外気に触れるため、耐候性、耐熱性、耐水性に対して非常に高い性能が求められます。また、CLTは木材なので、経年変化を考えた施工が必要です。

変色やカビ、割れた箇所やラミナ巾はぎの隙間から雨水が侵入して劣化が生じるリスクがあります。CLT自体の耐久性は高いものの、長期間風雨の影響を受けると徐々に劣化が生じるのです。もしも現しによる仕上げを行う場合、環境に対応できるよう強度の高い接着剤が必要となるでしょう。同時に、木材の腐朽やシロアリへの対策なども求められます。

対策について

CLTで外壁現しを行う場合、部位ごとに対策や塗装の配慮、定期的なメンテナンス対応が必要となるでしょう。軒裏や軒先では、レゾルシノール・フェノール樹脂や使用環境B同等認定品の接着剤を用います。軒裏面は雨水に濡れても短時間で乾燥するものの、長期間の使用で濡れジミや黒カビの発生が懸念されます。対策としてクリア塗装を行っておくとよいでしょう。

軒先

軒先ではCLT木口の現しは避けます。木口から水が吸収された場合、変色につながるからです。

開口部

開口部に関して、住宅とビルなどの非居住用建築物では納まりに違いが現れる点も注意しましょう。

土台

CLT外壁を基礎より15mm程度外に出す、CLTの切れ込みの部分に水切りの上部を差し込み、コーキングで納めることが必要です。

せん断金物

せん断金物は室内側に配置。室内側も現しなら、金物を隠す工夫が求められます。

目地

経年劣化によりCLTパネル同士の目地が収縮し、空隙が現れることがあります。対策として目地に雇い実をする必要があります。

メンテナンスについて

現し部分にはクリア塗装を施す必要があります。また、経年による変化への対応として再塗装を行うことも重要です。

現しで使用する場合、防腐・防虫効果のある薬剤を含んだ保護塗料の使用が良いでしょう。使用する塗料の注意点として、透明な塗料は光による劣化を阻止できないため耐候性が低いこと、また造膜系は古い塗料を除去する工程があるので、定期的にメンテナンスを行う場合不向きである点にも注意しましょう。

参照元:日本CLT協会|設計者のためのCLT屋外使用ガイドライン[PDF](https://clta.jp/wp-content/uploads/2020/04/CLTokugaishiyou_guideline.pdf

参照元:日本CLT協会|CLT建築物の設計ガイドブック[PDF](https://clta.jp/wp-content/themes/clt/pdf/about/nyukai/pdf_guidebook.pdf

CLT用クロス マーク金物をはじめとした
中大規模木造建築金物メーカーを紹介

クロスマーク(Xマーク)
表示金物メーカー
ピックアップ3社

上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。

タカヤマ金属工業株式会社

タカヤマ金属工業株式会社
引用元:タカヤマ金属工業株式会社 https://www.takayama-kk.co.jp/
ワンストップの生産体制と
BIMを活用した制作金物に強み

現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い

工場

  • 本社工場 大阪府大阪市
  • 美原工場 大阪府堺市
  • 富田林工場 大阪府富田林市
  • 新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり

会社情報

  • 従業員数
    300人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    埼玉県川口市

株式会社タツミ

株式会社タツミ公式サイト
引用元:株式会社タツミ https://www.tatsumi-web.com/
接合金具工法用の
木材プレカット工場に強み

自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的

工場

  • 見附工場 新潟県見附市
  • 北関東工場 栃木県日光市

会社情報

  • 従業員数
    280人
  • 本社
    新潟県見附市
  • その他営業所
    東京都中央区
    栃木県日光市
    大阪府大阪市

山菱工業株式会社

山菱工業株式会社
引用元:山菱工業株式会社 https://www.yamabishikogyo.co.jp/
ツーバイフォー金物の実績で
培った技術力に強み

規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発

工場

  • 茨木工場 大阪府茨木市
  • 建材工場 大阪府大阪市
  • 安富工場 兵庫県姫路市

会社情報

  • 従業員数
    110人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    千葉県千葉市

※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/

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中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社

大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
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