大規模木造建築において、注目を集めているFSCやPEFC。特徴や認証を取得するメリット、注目される理由などを解説します。
FSCは、「Forest Stewardship Council」の略称で、林業に関わる企業や環境団体などで構成されています。WWFが設立に深く関与しており、1994年に発足して以来、国際的な森林認証制度の一つとなっています。
なお、FSCは10の原則と70の基準(2023年10月21日調査時点)で構成されており、認証機関が審査や認証を行っています。
参照元:森を守るマーク 森林認証制度FSC®について |WWFジャパン(https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3547.html)
PEFCは、1999年にヨーロッパで誕生した森林認証制度です。発足当時は欧州の林業組合・団体で構成されていましたが、その後ヨーロッパ以外の国が加わって国際化が進んでいます。PEFCはISO基準の原則を採用しているほか、各国の森林認証制度を相互承認する役割も担っています。
参照元:PEFC認証制度の特徴 - 森林認証SGEC/PEFCジャパン(https://sgec-pefcj.jp/pefcとは/pefcについて/pefcの特徴/pefc認証制度の特徴/)
森林認証制度という言葉を初めて聞いた方も少なくないでしょう。森林認証制度は、環境や経済など複数の要素を考慮し、適切に森林の管理・運用が行われている企業や団体の木製品を認証する制度です。木材の利活用において持続可能性を評価するとともに、森林環境の保護を目的としています。
森林認証制度は多くの種類があり、先に述べたFSCやPEFCなどが有名です。SFCは森林認証制度の先駆けで、PEFCは規模の大きな森林認証制度の一つとなっています。
一方、日本にもSEGCという独自の森林認証制度があります。SEGCは2003年に設立された団体で、日本における森林の利活用と環境保護の一端を担っています。大小さまざまな林業・木材関連企業・団体が参加しています。なお、SEGCは日本独自の森林認証制度ですが、PEFCとの相互承認を実現しています。
参照元:SGEC認証の概要・原則 - 森林認証SGEC/PEFCジャパン(https://sgec-pefcj.jp/sgec-pefcジャパンとは/sgec認証/sgecの歴史/)
FSCやPEFC認証を取得するメリットは、自社の環境保護への取り組みをアピールできる点です。SDGsに取り組む企業は少なくありませんが、森林認証制度は外部の認証機関が審査を行うため、SDGsへの取り組みを可視化できます。また、第三者が評価することで、自社の環境保護に関する取り組みの信頼性を高めることが可能です。
SFCやPEFCなどの森林認証制度は、厳しい審査基準が設けられています。その基準をクリアしないと認証を取得できませんので、取得することによって他社との差別化が可能になります。大規模木造建築においても、認証の取得が大きなアピール材料になり、建築物の付加価値を高めることができるでしょう。
FSCやPEFCは、ESG投資の分野でも関心が高まっています。ESG投資は従来の財務情報に加え、企業の環境・社会問題への取り組みやガバナンスも考慮して投資判断を行います。森林認証制度は、企業の環境への取り組みを客観的に評価する指標となるため、取得の有無が投資判断に影響を及ぼす可能性があるのです。
大規模木造建築は、環境保護や脱炭素化に寄与しますが、森林認証制度を取得することで取り組みを可視化できます。ESG投資においても、肯定的に捉えてもらえるでしょう。
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。