このページでは、トラス構造のメリット・デメリットや木造で用いる時の注意点、構造に用いる金物などについて解説しています。
トラス構造は、三角形につなぎ合わせた部材で構成される構造をいいます。部材は金物によって接合されており、荷重がかかった際に力が分散されるほか、軸力しか発生せず、曲げモーメントによる影響を受けないという特徴を持ちます。
トラス構造は安定性が高い構造で、地震など災害にも備えられることから、主に中大規模建築で用いられています。木造への適用も可能で、大きな空間を確保したり、ドーム状の屋根を形成したりすることもできます。
トラス構造のメリットは、細い部材で構造を設計できる点にあります。部材の一つ一つを金物で三角形状につなぎ合わせることで、発生する力が軸力(圧縮力など)のみとなります。一方、曲げモーメントが構造上発生しないため、細かい部材で構造を構成できます。部材のサイズの制約を受けにくく、効率的な設計が可能です。
トラス構造を取り入れれば、建築物の強度を高め、軽量化できる可能性があります。四角形や五角形と比べ、三角形は強度が高いとされるため、トラス構造は建物の強度確保に寄与します。また、細い部材で建物を構成しますので、曲げモーメントが発生する設計と比較して建築物を軽量化できる傾向があります。
トラス構造は三角形を組み合わせた構造のため、一般的な他の構造と比較して見た目がおしゃれです。現しにした場合、建物のデザイン性を高められる可能性があります。特に曲線を描いたドーム状・アーチ状の建築物であれば、トラス構造のデザイン性を活かしておしゃれな空間を演出したり、建築物に付加価値を持たせたりできます。
トラス構造のデメリットは、施工に時間や労力がかかる点です。三角形で構成されるトラス構造は、さまざまな部材が必要で、調達までに時間がかかります。また、各部材の大きさは異なる一方、金物を使って接合する必要があります。
特に部材の接合部分は複雑化しやすく、交錯する部材の分かりにくさから、混乱してしまう可能性も否定できません。慎重な作業が求められるため、他の構造と比べて組み立てにも時間を要します。
トラス構造を採用すると、建築費用が高額になってしまうケースもあります。トラス構造はとても複雑で、さまざまな部材を組み合わせなくてはいけません。施工には技術力も求められるため、施工に対応した会社・職人もある程度限られてしまいます。
その結果、部材の調達費用や人件費などが高額になる場合も少なくありません。もしトラス構造を採用する場合、予算は多めに確保しておく必要があります。
木造の建築物にトラス構造を取り入れる場合、特に注意したいのはコストです。木造で使われる通直集成材は製造コストが高く、受注生産となるパターンも少なくありません。一方、トラス構造で使う部材は流通品が多く、製造コストは抑えられています。しかし、トラス構造は金物を使うためパーツ数が多く、加工費や施工費が高額になる傾向があります。
強度にも注意が必要です。木は圧着力に強い反面、引張力に弱い性質があります。トラス構造を取り入れる際は、できるだけ部材に引張力が加わらない設計にし、かつ破壊を招かないよう丁寧・慎重な施工が求められます。
ネイルプレートトラスは、複数の突起が配されている構造金物です。木材を接合することにより、大きな空間を確保できます。また、最小限の断面で構成されているため、建築物の重量を軽くすることが可能です。
MPねじは、ビスやボルトを使用する構造金物です。複数のプレートとボルトなどを組み合わせて接合部を構成していきます。自由な角度に対応しており、スピーディに施工できる点が特徴です。
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
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※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
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