現在、民間企業でも進められている中大規模木造建築の流れを受けるように、2025年開催の大阪・関西万博でもCLT活用は大きなテーマの一つとなっています。そこでどのような取り組みが行われるのかをご紹介します。
経済産業省は大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)に日本館を出展します。SDGs+beyondが体現できるパビリオンとする基本構想の下で、各分野の専門家がプロデューサーやアドバイザーとして参画し実現に向け動き出しています。
建築・空間設計分野では、展示と建築の融合による一貫した来場者体験の創出や建設サイクル全体を通じた循環システムの構築、サステナブルな資源利用をテーマとして建築過程を見える化し会期前から参加者を巻き込むことが検討されています。
東京オリンピックの国立競技場建築では約2,000m3の木材が使用されたことが話題となり、国産材のCLTが随所に用いられました。今回もCLT活用を進めるために関係省庁が連携した取り組みが行われます。
参照元:経済産業省HP(https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210413006/20210413006.html)
大阪・関西万博でCLTが注目されている理由は、木材を使用したサステナブル建築の世界的な流れやSDGs貢献ということだけでなく、その特性から建材としてパビリオン建築に適している点があります。
CLTパネル工法により大規模な建築が可能で、鉄やコンクリートの組み合わせにも対応する柔軟性、設計自由度の高さなどがCLTの特性として挙げられます。また断熱性能が高くパネル全体で構造を支えるので耐震性も優れます。
万博などの大きなイベントでは工期に余裕がないことも想定されますが、工場でプレカット加工して現場に運び、接合金物でつなぐ施工方法なので鉄筋コンクリート造に比べると工期が大幅に短縮できるメリットもあります。
現在、CLTパネル等の寸法等の規格化や住宅性能表示制度でのCLT基準の整備などが進められていますが、大阪・関西万博を機に製造施設の整備が急がれており、年間50万m3のCLT生産体制が実現すればコスト高という課題解決につながります。
経済産業省の日本館以外でも、日本CLT協会では大阪・関西万博開催に関連してCLTを活用したパビリオン建築サポートを行っています。これはパビリオン建築の企画立案から設計、見積り、施工まで支援する内容になっています。
建築サポート企業はCLT木材や接合金物のメーカーを始めとして、設計事務所や大手ゼネコンなどCLTパネル工法で中大規模木造建築の実績がある企業が名を連ねています。また大規模イベント等におけるCLT再利用パートナーの選定も終えています。
このように大阪・関西万博のSDGsの達成への貢献と未来社会の実験場というテーマを達成するためにCLT活用は必須項目といえるポジションにあるのです。
参照元:日本CLT協会HP(https://clta.jp/document/detail/expo2025cltpavilion/)
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。