中大規模木造建築金物にはさまざまな種類があります。それらの示す規格を知ることは、中大規模木造建築金物を安全に、適切に扱うために欠かせません。ここでは、代表的な中大規模木造建築金物のマークを6種類ピックアップしてその意味について解説していきます。
Xマークは、2016年に公益財団法人日本住宅・木材センターによって制定された、CLTパネル工法用金物を示すマークです。
Xマーク表示金物は、平成28年国土交通省告示第611号「CLTパネル工法を用いた建築物または建築物の構造部分構造方法に関する安全上必要な技術を技術基準を定める件」に適合した表示金物と定義されています。ここで言う「CLTパネル工法」とは、Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティド・ティンバー)と呼ばれる厚型パネルを組み合わせる工法で、Xマーク表示金物はこの工法に用いられる金物です。
Zマークは、公益財団法人日本住宅・木材センターが木造軸組工法(在来工法)を対象に承認・同等認定した高品質な建築用金物であることを示すマークです。
このZマークは、認定を受けた製造工場においてJIS規格に適合した材料を用いて製造されており、多くの厳しい強度基準をクリアした高品質な金物であることを示しています。平成12年6月1日施行に施行された「建設省告示第1460号」によって、筋かいの端部の接合部などにはこのZマーク付きの金物を用いることが事実上義務化されています。
Cマークは、公益財団法人日本住宅・木材センターによって枠組構法用金物規格に適合していると認定された金物であることを示すマークです。認定の要件は、「当該製品を品質・性能の安定した生産・供給できる体制が整っていること」となっています。
Mマークとは、生活用品振興センターの基準をクリアした金物に与えられるマークです。外観、機能、強度、耐久性、安全性などを審査し、安心して購入、使用できる確かな品質であることが審査クリアの基準となっているので、このマークが与えられている金物は、専門家や消費者代表からなる委員会による厳しい審査をクリアした高品質なものであると言えます。また、Mマークのついた金物には5年間のアフターサービスが義務付けられています。
Dマークは、日本住宅・木材研究センターによって定められた木造住宅の耐震性能をクリアした金物に与えられるマークです。
Dマークが与えられた金物は、木造建築物の継ぎ手・仕口に用いる鋼材その他の材料からなる製都合方法で製造され、構造上の耐力等を十分に負担する機能を有していると認められたものです。
Sマークは、日本住宅・木材技術センターが認定したZマーク、Cマーク、Mマーク金物および、同等認定金物以外の金物を対象とした認定マークです。認定の要件は、品質・性能の安定した生産・供給できる体制が整っていることとなっています。
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。