CLT用クロス(X)マーク金物をはじめとした中大規模木造建築金物メーカーが見つかるnavi » 【特集】中大規模木造建築を建てる意味とは? » 中大規模木造建築の課題と今後の展望

中大規模木造建築の課題と今後の展望

中大規模木造建築はグローバルなトレンドであり、日本でも注目度が高まってきていますが課題として検討しなかればならない点も少なくありません。ここではそうした課題をピックアップし将来に向けどう解決すべきかをまとめました。

木造建築に対する企業の理解度が低い

近年、関心度が上がっている中大規模木造建築ですが、技術やコスト的な課題を考える前段階の課題として、まず正しく理解されていないということがあります。それは“木造建築”に対するこれまでのイメージがかなり影響しています。

経済同友会が企業に対し行った「低~中層の自社建物等への木造建築・木質材料の使用意向に関するアンケート(2017年12月20日~2018年1月20日)」によると70%が木造建築の採用経験がなく今後検討する気はないが54%を占めています。

木を使わなかった理由として「前例がなく、面倒」25%に次いで「木が使えると思っていなかった」が24%となっています。また木造建築を検討しない理由は「耐震性に不安」47%、「耐火性に不安」と「耐久年数に不安」が37%となっています。

これらの結果から、そもそも木造建築が選択肢に入っていない、また鉄筋・鉄骨=強い、木造=弱いというイメージが先行しているのではないかと考えられます。中大規模木造建築の普及のためには、まずこうしたイメージの払拭とさらなるアピールが必要です。

参照元:経済同友会HP[PDF](https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/180322a_02.pdf

木材は環境や企業イメージ向上につながる

企業が木材に対して建材として弱いイメージがある一方で、環境に優しいイメージがあることも事実です。経済同友会のアンケートでも木質材料の内装・造作に利用した理由として「環境によい」32%「企業イメージ向上」28%となっています。

近年、SDGsやESG投資が世界的な大きな流れとして企業にも伝わっており、木材を使用することで環境問題に取り組む企業の姿勢をアピールし、イメージアップにつなげたいと考えている企業が多くなっています。

脱炭素社会の実現については企業も関心が高く、積極的に取り組もうという動きがあります。そうした中でCLTのことを知り中大規模木造建築の可能性を探るケースも出てきています。そうした機会を増やすことができれば普及もさらに早まると考えられます。

参照元:経済同友会HP[PDF](https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/180322a_02.pdf

コストをいかに下げられるかが今後の課題

木造建築のことをよく理解した企業でも導入には二の足を踏んでしまう理由としてはコストの問題があります。木造のコスト増許容範囲で「少しでも高ければ許容できない」が13%とやはり企業はコストに対し厳しい目を持っていることがわかります。

中大規模木造建築がコスト高になってしまう理由としては、標準化が不十分ということがあります。例えばCLTのJAS認定工場を持つ企業は国内で8社のみ。CLTパネル工法用のクロスマーク表示金物承認は7社です。

生産体制が十分でないため製造できる数量は限られ、どうしてもコストは高くなってしまいます。また接合金物も規格品だけでは対応しきれず、特注品を頼まなければならなくなると、そこでもコストアップします。

脱炭素社会の実現のため中大規模木造建築向けの補助金・助成金があります。今後はそうした動きがさらに拡大して標準化され、建材の製造メーカーが増えていけばコストが下がることが期待されます。どこまで下げられるかが普及にカギとなるでしょう。

CLT用クロス マーク金物をはじめとした
中大規模木造建築金物メーカーを紹介

クロスマーク(Xマーク)
表示金物メーカー
ピックアップ3社

上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。

タカヤマ金属工業株式会社

タカヤマ金属工業株式会社
引用元:タカヤマ金属工業株式会社 https://www.takayama-kk.co.jp/
ワンストップの生産体制と
BIMを活用した制作金物に強み

現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い

工場

  • 本社工場 大阪府大阪市
  • 美原工場 大阪府堺市
  • 富田林工場 大阪府富田林市
  • 新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり

会社情報

  • 従業員数
    300人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    埼玉県川口市

株式会社タツミ

株式会社タツミ公式サイト
引用元:株式会社タツミ https://www.tatsumi-web.com/
接合金具工法用の
木材プレカット工場に強み

自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的

工場

  • 見附工場 新潟県見附市
  • 北関東工場 栃木県日光市

会社情報

  • 従業員数
    280人
  • 本社
    新潟県見附市
  • その他営業所
    東京都中央区
    栃木県日光市
    大阪府大阪市

山菱工業株式会社

山菱工業株式会社
引用元:山菱工業株式会社 https://www.yamabishikogyo.co.jp/
ツーバイフォー金物の実績で
培った技術力に強み

規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発

工場

  • 茨木工場 大阪府茨木市
  • 建材工場 大阪府大阪市
  • 安富工場 兵庫県姫路市

会社情報

  • 従業員数
    110人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    千葉県千葉市

※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/

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現場のコスト削減、品質向上、工期短縮につながった木造住宅建築金物の事例を紹介。ここでは現場の生産性を考えた製品開発を得意とするタカヤマ金属工業の事例について紹介します。

中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社

大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。