在来木造軸組工法は木造建築ならではの弱さも存在します。そこで木造でも安定した強度を生み出すことができるドリフトピン接合について調査。どのような仕組みで、中大規模木造建築にどういった影響を与えるかについて解説します。
仕口やほぞを加工する日本の伝統的な木造軸組工法は設計自由度が高く間取り変更がしやすいなどのメリットがある反面、断面欠損を生じる可能性があるため強度に不安があり、職人の人手不足や工期が長いなどのデメリットがあります。
近年は建築技術の向上で改善されてきており、金物を使用することで強度を上げたり施工効率をアップしています。その一つがドリフトピンという専用金物を使った接合方法でピン工法とも言われています。
一般的な木造のほぞ接合は木材同士を削ってつないでいます。これに対しドリフトピン接合は仕口加工を少なくしドリフトピンを使ってつなぎます。断面欠損を少なくできるため強度が上がり、品質も安定するメリットがあります。
接合金具を梁と柱にまたがる形式で外側に付ける方法もありますが、ドリフトピン接合の場合は、プレカット工場で木材加工と併用してピンを埋め込むため露出が少なく、見た目や仕上げを美しく維持することが可能です。
木造住宅では強度を上げるためにたツーバイフォー(2×4)工法が採用されることがあります。面で支える構造なので耐震性にも優れますが、在来軸組工法の設計の自由度や間取り変更のしやすさは失うことになります。
在来軸組工法の良さを生かしながら強度をアップさせるために採用されているのが、接合部に専用金物を用いる金物工法。特に構造用集成材を使用する場合は梁受金物などをプレカット会社で取り付け、現場でドリフトピンを打つだけなので工期を短縮できます。
中大規模木造建築を行う際は、一般住宅の在来軸組工法では対応が難しくなります。建物規模に合わせたスパンを大きくしたり、部材断面も厚くなれば割れや収縮により安定性が確保できなくなってしまうからです。
したがって安定性の高い構造用集成材を使用することやボルトやドリフトピンなどを使用して強度をアップさせる金物工法は必須。それにより従来の木造建築では考えられなかった建物形状や開口部の設置などが可能になります。
柱梁接合や柱脚をどうするかは施工法により変わります。金物に関しては規格品から特注品までさまざま製品化されているので建築会社と相談して、適した工法を選ぶことをおすすめします。
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
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自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
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規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
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※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。