ここでは、中大規模木造建築での製作金物やOEM金物、製作金物対応業者の選定ポイントについてご紹介しています。
木造建築において継手と仕口の接合について、住宅用金物を使うことができれば効率的といえます。ただ住宅用では対応できないケースもあるため、その場合、TS金物の採用が必要です。
住宅用金物、TS金物も使えないなら、製作金物という選択肢があります。使用する場合接合部ごとの設計が必要です。設計する際は、木質構造設計の基準に従い、繊維異方性・木材の破壊モード・溶接などの専門知識と技術力が必要となります。
製作金物は建築物をはじめ、家具や建具を製作するための金属製の部材や金属製品で、建築金物とほとんど同じです。意匠性のあるものは装飾金物、高い機能性を意識して製作したものは機能金物と分けられています。
OEM金物は、メーカーが自社製品ではない他社ブランド製品を製造する方法です。アパレルをはじめ、化粧品や家電や食品まであらゆるジャンルでOEMはあります。金物も同様です。ただ、製作金物もOEM金物も対応するには金属加工技術やノウハウの保有が求められます。
会社ごと、細かな点で違う部分はあるかもしれませんが、製作金物の依頼から納品までの一般的な流れは下記の通りです。
問い合わせ後、対応できるか判断して見積もりを行います。要望に適っているか確認後、打ち合わせです。入金確認がされた後に製作がスタートし、完成後、金物が納品されます。
金物加工は専門店や専門会社のほうが要望への対応力や技術力を保有しています。リフォームや建築業者や職人でも、金物製造は下請けの専門会社に出すケースも多いです。また、加工以外に、寸法や取り付けや納品の配達などはどこまで対応できるかは各社違うため確認が求められます。
依頼しようとしている企業、または個人の職人が求めている金物の製作経験がどの程度あるかどうかは選定判断の中でも重要視しなければなりません。経験が少ない場合、細かい点で要望とのずれが生じる可能性があります。ホームページがあるなら同じ金物の製造事例があるかチェックしてみてください。
既製品にないならオーダーメイドという選択肢があります。求めている金物が既製品になければオーダーメイドしかないです。既製品が欲しいなら専門に取り扱っている会社もあります。細部までぴったりとしたものが欲しいならオーダーメイドできるかどうかは重要です。
自社製品のみ取り扱っている、または製作しかできないといった会社より、他社製品でも対応ができる会社のほうが助かります。建物を建てた後もメンテナンスは必要となり、経年劣化や災害・事故等の問題により修繕する必要もあります。その際時間が経過して金物のデータが紛失されている、またはその金物を扱っていた唯一の会社が閉業しているなら困ることになります。金物製作ができる会社の中でも柔軟な対応力があるなら長い付き合いができるでしょう。
長期的な付き合いができるなら信頼性が鍵を握ります。ホームページが受注窓口として設けている企業もあるでしょう。ただ、代表である経営者をはじめどんな職人を顔出ししているかどうかはチェックポイントです。顔を出しているのは「出すことができる」自信と責任感を持っている現れともいえます。絶対的な判断材料とはいえませんが、信頼できるかどうかの参考材料になります。
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。