鋼板の規格
（中大規模木造建築金物）

ここでは中大規模木造建築の接合金物を検討する際にも使われる建築用語「鋼板」について解説しています。また鋼板の厚み、寸法、重量に関連するJIS規格のについても紹介しています。

鋼板とはどのようなもの？

鋼板とは圧延加工し板状にした鋼鉄のことを言います。圧延は金属をロールで押しつぶして伸ばす加工法で小規模な工場から製鉄所などでもよく利用される方法です。材料を高温にして軟化させて圧延するのを熱間圧延と言います。

また一般的に厚さ3mm以上を厚板（厚鋼板）3mm未満を薄板（薄鋼板）と言います。厚さによって用途が分かれ、厚板は造船、建築など、薄板は自動車や電気機器など多方面で使用されます。また6mm以上を厚板、3mm以上～6mm未満を中板と呼ぶこともあります。

鋼板はこうした厚みの他に、亜鉛やスズなどのめっきなどで用途も変わりますので、複雑でわかりにくい面があります。基本的な仕様をしっかり理解しておくことが重要です。

JIS規格と知っておきたい予備知識（板厚・pl）

鋼板の寸法や形状についてはJIS規格 G 3193によって規定されます。適用範囲は熱間圧延によって製造された鋼板（鋼帯からの切板を含む）及び鋼帯の外観，形状及びその許容限度並びに寸法，質量及びその許容差で平鋼は除きます。

厚みに関してはmm単位で表され、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0といったように標準厚さが規定されています。なお鋼板の平面に対して直交方向の長さ（厚み）を「板厚」と言います。板厚という言葉は木板にも使用されます。

厚みと同様に鋼板の標準幅、標準長さもこの規格で定められています。その他、鋼板は図面ではplと表記されます。pl-9と数字が付く場合は厚みを表します。鋼板は、鉄骨部材の接合部でよく使われるので知っておくと理解しやすくなります。

製作金物について

中大規模木造建築では、使用する集成材や規模によってはクロスマーク表示金物以外の金物を用意する必要が出てくることがあります。規格品以外のものは特注品の製作金物として扱われます。

またそれは通常の接合金物とくらべ厚みや太さ、大きさが大きく違うため、加工が必要な場合、通常の加工工場では対応できない可能性がでてきます。例えば中大規模木造建築の製作金物について、板厚が16mm以上になるケースなどです。

対応可能な工場も制限されてきますので、接合金物の特注加工が想定される場合は、製作金物メーカーの過去の製作実績や制作能力について確認しておきましょう。そうすればより精緻な計画を立てることが可能です。

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