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なぜ今、中大規模木造建築が注目されている?2050年カーボンニュートラル

現在、非住宅の中大規模木造建築が注目されています。そこで背景として考えられることや2050年カーボンニュートラルとの関係性について解説。また今後さらに非住宅の木造建築を拡大するために何が必要なのかについてまとめました。

拡大傾向にある中大規模木造建築市場

中大規模木造建築への注目度が上がっていると感じていても、実際に施工数は増えているのでしょうか。矢野経済研究所の非住宅木造市場に関する調査(2020年)によれば市場規模は拡大傾向にあり、前年度比10.5%増の7,129億円となっています。

その後、新型コロナウイルス感染拡大の影響でやや鈍くなりつつも、将来的な予測として市場規模が大きくなる流れは変わりません。非住宅木造の用途としては、老人福祉施設や事務所、倉庫、商業施設など床面積の大きい建物の割合が高くなっています。

大規模施設の木造化は建築工事費が高くなるため減退してもおかしくありません。それでもこうした木造化の流れが変わらずにある背景にはSDGsに代表されるような、世界的な「脱炭素社会」実現への関心の高まりがあるからです。

参照元:矢野経済研究所プレスリリース[2021/03/15](https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2669

カーボンニュートラル宣言が後押し

日本においては、中大規模木造建築の拡大を後押しするものとして政府が2020年10月に宣言したカーボンニュートラルがあります。「カーボン=炭素」を「ニュートラル=中立」とは具体的に何を意味するのでしょうか。

簡単に言ってしまうとカーボンニュートラルとは「温室効果ガスの排出をゼロにする」ことです。実際に排出をゼロにすることは困難なため、排出量から植林や森林などの吸収量を差し引いて実質ゼロを目指すという意味になります。

政府は2050年までに、このカーボンニュートラル実現を目指すと宣言したわけです。そのためには温室効果ガスの排出を抑えるのと同時に、吸収量を増やすため間伐など森林の健全化を進めなければなりません。

伐採した木は建築用木材として活用すれば無駄になりません。さらに住宅用だけでなく中大規模建築を木造化することで大量に木材を消費し、森林のライフサイクルは正常化。脱炭素社会の実現という好循環が生まれます。

脱炭素社会に向け国と民間が一体化する動き

カーボンニュートラルを推進させるためには産業構造や経済社会の変革が求められます。心地よい言葉を並べるだけでは実現は不可能で、国と民間が一体となってビジネスモデルや政策を根本的に見直すことが必要になります。

そこで経済産業省は2020年12月にカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略を策定しました。14の重要分野ごとに現状の課題と今後の取組みを明記。それに基づき予算、税、金融、規制改革・標準化、国際連携などを進めることとしました。

その中で、木材の利用の促進に関する法律も改正。それまで非住宅分野や中高層建築物の木造率は低かったため、木材利用の促進に取り組む対象を公共建築物等から民間建築物を含む建築物一般に拡大。法律名も「脱炭素社会の実現に資する」と目的を明らかにしています。

参照元:林野庁HP(https://www.rinya.maff.go.jp/j/riyou/koukyou/

CLT用クロス マーク金物をはじめとした
中大規模木造建築金物メーカーを紹介

クロスマーク(Xマーク)
表示金物メーカー
ピックアップ3社

上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。

タカヤマ金属工業株式会社

タカヤマ金属工業株式会社
引用元:タカヤマ金属工業株式会社 https://www.takayama-kk.co.jp/
ワンストップの生産体制と
BIMを活用した制作金物に強み

現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い

工場

  • 本社工場 大阪府大阪市
  • 美原工場 大阪府堺市
  • 富田林工場 大阪府富田林市
  • 新潟県、福岡県に製作金物加工工場あり

会社情報

  • 従業員数
    300人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    埼玉県川口市

株式会社タツミ

株式会社タツミ公式サイト
引用元:株式会社タツミ https://www.tatsumi-web.com/
接合金具工法用の
木材プレカット工場に強み

自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的

工場

  • 見附工場 新潟県見附市
  • 北関東工場 栃木県日光市

会社情報

  • 従業員数
    280人
  • 本社
    新潟県見附市
  • その他営業所
    東京都中央区
    栃木県日光市
    大阪府大阪市

山菱工業株式会社

山菱工業株式会社
引用元:山菱工業株式会社 https://www.yamabishikogyo.co.jp/
ツーバイフォー金物の実績で
培った技術力に強み

規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発

工場

  • 茨木工場 大阪府茨木市
  • 建材工場 大阪府大阪市
  • 安富工場 兵庫県姫路市

会社情報

  • 従業員数
    110人
  • 本社
    大阪府大阪市
  • その他営業所
    千葉県千葉市

※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/

建築金物施工イメージ
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コスト削減、品質向上の特注金物事例
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現場のコスト削減、品質向上、工期短縮につながった木造住宅建築金物の事例を紹介。ここでは現場の生産性を考えた製品開発を得意とするタカヤマ金属工業の事例について紹介します。

中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社

大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。