木材は人の手で加工もしやすく、燃える自然素材であることから耐震性や耐火性に弱いイメージを持つ人が多くいます。そこで中大規模木造建築における地震や火災に対する強さや見るべきポイントについて解説します。
建物が地震に強いか弱いかを決めるポイントは、きちんと構造設計を行い計算に基づいて施工されているかどうかです。木造だから弱いということはなく、鉄筋コンクリート造でも構造設計がされていなければ地震に弱くなります。
これは阪神・淡路大震災の際に鉄筋造のビルが倒壊していた例があったことからもわかります。また日本の歴史的建造物の多くは木造で中大規模建築物もありますが、現存しているのは地震に強い設計であったからです。
現在は建築技術も向上し、CLTや集成材など強度が高く品質が安定した建築部材も増えてきていますので、それらを利用して強度に基づく構造計算をしっかり行えば、平屋住宅だけでなく背の高い中大規模木造建築も耐震性を確保できます。
また鉄骨や鉄筋コンクリート造に比べ、木造は軽量であることがメリットになります。建物の軽量化により規模によっては杭基礎ではなく直接基礎で済んだり、地盤改良する際にも地耐力が小さくいのでコストダウンが可能です。
地震で大きな揺れが発生した場合は、鉄骨や鉄筋コンクリート造の建物よりも地震で受ける外力は小さくなります。これは建築物の重さと揺れの加速度で外力が決まるためで、地震の揺れに対しては木造の方が優位性があります。
木材は燃える素材であることは確かですが、表面が燃えてもゆっくりと進み燃え抜くまで時間がかかるという性質があります。これは建築物では非常に重要で火災が発生しても、燃え進むのが遅いので、それだけ逃げる時間が確保できるということです。
では鉄骨造は火災に強いのでしょうか。実は鉄やアルミニウムなどの鋼材は350度くらいが5分も続くと強度が半分くらいに落ちます。木材は熱伝導率が低く、350度で強度が半分になるまでに20分くらいかかります。
建築基準法で耐火構造に求められるのは壁や床などの耐火性能。階数や構造部分の種類で異なりますが最長3時間の火災に耐える性能が必要です。また準耐火構造では最長1時間、火災で部材の強度が弱まり建物が崩壊し、あるいは他に延焼しないことが求められます。
近年、大手ゼネコンを中心にで中大規模木造建築が進められていますが、そこで使用されているのは概ね1~2時間の耐火仕様で国土交通大臣の認定を取得している耐火集成材。燃え止まり型などで現しも可能になっています。
したがって中大規模建築においても木造は火災に弱いとは言えません。集成材においてはさらに改良による性能アップも進められており、鉄骨や鉄筋コンクリート造と比べても遜色ない強度と耐火性を実現できる状況になっています。
参照元:日本木材総合情報センター(http://www.jawic.or.jp/riyouhou/mnl.php?idx=6)
上記の7つの会社のうちクロスマーク金物の8割以上の品目を取り扱い、自社工場で対応している会社である、3社をピックアップしました。各社の公式WEBサイトにあるクロスマーク金物に関する取り組み情報を参考に選定しています。
建築金物メーカー各社は、規格品以外も製造しておりそれぞれ特色があります。そこでCLTパネル接合用のクロスマーク表示金物関連情報とそれ以外に何を得意としている会社なのかについて調査し、まとめました。
現場視点の企画開発力で特注・OEM品にも強い
工場
会社情報
自社プレカット工場を持ち特注金物に積極的
工場
会社情報
規格品だけでなく各種オリジナル金物も開発
工場
会社情報
※参照元:公益財団法人日本住宅・木材技術センター公式サイト(木造建築物用接合金物承認‧認定金物一覧χマーク表示金物一覧表 令和4年1月1日現在) https://www.howtec.or.jp/publics/index/108/
中大規模木造建築の
接合金物メーカーを調査
ピックアップ3社
大型木造建築で注目される木材、CLT(直交集成板)に使用されるクロス(X)マーク金物。
それらを製作する接合金物メーカーについて調査。さらにその中から3社をピックアップし紹介しています。